1-1. ON/OFFの条件に「複数選択」を使った時の論理

1-2. ON/OFFの条件に「FLAG」を使った時の論理

1-3. 「ONの条件」と「OFFの条件」の実行タイミング

1-4. 出力の挙動

●Home へ    最終更新|2022/03/20    14:15

■1. プログラミング時の注意点

サンプルの[Multiple.sio]を開いてシミュレーションを実行してください。( LZH形式の圧縮ファイルがダウンロードできます。)

1-1. ON/OFFの条件に「複数選択」を使った時の論理

「複数選択1」は[IN1]と[IN2]の論理積(「さらに」を選択)をとっています。「複数選択2」は論理和(「または」を選択)です。

[OUT1] は「複数選択1」をONにして「ONの条件」にした場合です。OUT1 = IN1 and IN2 となっています。


[IN1] と [IN2] が両方ONしたとき
出力がONします。


[OUT2] は「複数選択1」をOFFにして「ONの条件」にした場合です。OUT2 = /IN1 and /IN2 となるのが分ります。


[IN1] と [IN2] のどちらかがONしたとき
出力がOFFします。
入力反転状態の「または」を選択した状態です。


[OUT4] は「複数選択2」ををONにして「ONの条件」にした場合です。OUT4 = IN1 or IN2 となっています。


[IN1] と [IN2] のどちらかがONしたとき
出力がONします。


[OUT5] は「複数選択2」をOFFにして「ONの条件」にした場合です。OUT5 = /IN1 or /IN2 となるのが分ります。


[IN1] と [IN2] が両方ONしたとき
出力がOFFします。
入力反転状態の「されに」を選択した状態です。

まとめ

「ONの条件」や「OFFの条件」に「複数選択」を指定した場合、注意する点があります。

それはこの文章を書いている時点(2022-02-12)では「取扱説明書 Rev3.53」には書かれていません。

取扱説明書 Rev3.53 を表示

「複数選択」をOFFにして条件にした場合、「複数選択」の出力が否定されるのではなく、入力が否定されます

入力がインバーティングするので [OUT2] はNORに、[OUT5] はNANDになります。


1-2. ON/OFFの条件に「IN」「OUT」「FLAG」を使った時の論理

[FLAG1] は [IN1] と [IN2] の論理積( 「さらに」を選択 )をとっています。[FLAG2] は論理和( 「または」を選択 )です。

[OUT8] は [FLAG1] をONにして「ONの条件」にした場合です。OUT8 = IN1 and IN2 となっています。


[IN1] と [IN2] の両方がONしたとき
出力がONします。


[OUT9] は [FLAG1] をOFFにして「ONの条件」にした場合です。OUT9 = /( IN1 and IN2 ) となっています。


[IN1] と [IN2] が両方ONしたとき
出力がOFFします。


[OUT11] は [FLAG2] をONにして「ONの条件」にした場合です。OUT11 = IN1 or IN2 となっています。


[IN1] と [IN2] のどちらかがONしたとき
出力がONします。


[OUT12] は [FLAG2] をOFFにして「ONの条件」にした場合です。OUT12= /( IN1 or IN2 ) となっています。


[IN1] と [IN2] のどちらかがONしたとき
出力がOFFします。

まとめ

出力の「ONの条件」や「OFFの条件」に [FLAG] を指定した場合は、特に意識する必要はありません。

[FLAG] をOFFにして条件にした場合、[FLAG] の値(演算結果)を否定します。

出力がインバーティングするので [OUT9] はNANDに [OUT12] はNORになります。


1-3. 「ONの条件」と「OFFの条件」の実行順序と出力

サンプルの[T-FF_DiffType.sio] を開いてシミュレーションを実行してください。( LZH形式の圧縮ファイルがダウンロードできます。)

このサンプルはトリガ信号を微分化しています。([FLAG1]/[FLAG2])[OUT1] はトリガの立上りで出力を反転させます。

[OUT1] の「ONの条件」を見ると、出力がOFFのときトリガがONすると出力NOをラッチします。そのま ま「OFFの条件」に目をやると、

[OUT1] がONの時、トリガがONすると [OUT1] をOFFするよう書かれています。このままでは永遠に [OUT1] はONし ないように思いますが、

実際はONします。

このような事から、「ONの条件」を評価 ⇒ 内部フラグを操作 ⇒ 「OFFの条件」を評価 ⇒ 内部フラグを操作 ⇒ 内部フラグを出力に代入

という工程を踏んでいると推測されます。

まとめ

「ONの条件」「OFFの条件」は、まず内部フラグを操作して、その結果を出力に書出している。

SiOの「ONの条件」をPLCでエミュレートしてみました。日頃PLCを使っている方はこれを見ていただくと理解できると思います。

 PLCのコードをPDFで表示します。SiO エミュレータ

 PLCのコード(キーエンス)がダウンロードできます。SiOエミュレータのPLCプログラム


1-4. 出力の挙動

「1-3.」で使ったサンプルプログラムをみると「ONの条件」が成立した後、「OFFの条件」が成立するまで [OUT1] はラッチしていま す。

わざわざ「ONの条件」に自分自身との論理和を入れなくてもよいのです。

まとめ

SiOのデバイスはセットラッチデバイスです。自分自身を入力にフィードバックする必要が無くラッチしてくれます。

この仕様のため入力条件を簡素化できます。

その他、「ONの条件」に「すると」を選択した場合は、立ち上がり微分入力になります。